着物の保管方法を解説

特別な日の衣装やおしゃれ着として使われることが多い着物ですが、いざ着ようというときにカビや虫食い跡があったのでは、せっかくのハレの日が台無しです。

しかし、適切な着物の保管方法については十分に知られていないというのが現状ではないでしょうか。

着物は繊細な衣類で、保管には特に気を使わなければなりません。

正しい方法で保管しなければ、カビやシミが発生するなど、保存状態が悪化してしまう恐れがあります。

着物の保管についての基礎知識や、桐たんすが無くてもできるおすすめの保管方法や保管アイテムについてご紹介します。

着物が長持ちする最適な環境は?

着物を良い状態のまま長持ちさせるためには、着物を保管する環境が重要です。

着物にとっての最適な保管環境とは、直射日光が当たらず、湿気が少ない場所です。

着物には空気中の湿気を吸収しやすいという性質があります。

着物の代表的な素材である絹は湿気に弱く、湿気を吸ったまま保管しているとカビが発生してしまうことがあります。

発生してから日が浅いカビであればクリーニングなどで落とせることもありますが、長く保管している間にカビが発生してしまった着物は、元に戻すのが困難であることが多いです。

できる限り、そもそもカビを発生させないように保管しておくことが大切です。

また、着物は直射日光に当たり続けていると、色あせや変色を起こしてしまう可能性があります。

着物を良い状態のまま長持ちさせるためには、着物の大敵である湿気や直射日光を避けられる保管環境を選びましょう。

なぜ桐たんすは着物の保管に適している?

着物の保管にはプラスチック製の衣装ケース等よりも桐たんすが良いと言われます。

なぜ桐たんすで着物を保管したほうがいいのでしょうか。

着物の保管に桐たんすを利用することのメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット
・素材の桐が湿気を吸ってくれる
・虫がつきにくく燃えにくい

デメリット
・場所を取るため設置できるスペースが限られる

桐たんすを利用するメリット、桐たんすに着物を収納する際の注意点について解説するとともに、広いスペースが無くても利用できる桐たんすについてご紹介します。

桐たんすの代わりに衣装ケースを活用しよう

桐たんすは着物の保管に適していますが、価格が高いことがネックになってくるかもしれません。

「着物の保管に適しているなら桐たんすを買ってみよう」といったように、気軽に買えるものではありません。

そこで桐たんすの代用品として、プラスチック製の衣装ケースやスチールラックを使用する方法が考えられます。

プラスチック製の衣装ケースやスチールラックなら、ホームセンターやネット通販などでも手頃な価格で購入できますし、取り扱いも簡単です。

着物を畳んだ状態から三つ折りにして収納すると考えると、幅60cm×奥行40cm(もしくは幅40cm×奥行40cm)程度の大きさの衣装ケースならちょうどすっぽりと収まります。

着物は収納時にあまり多く重ねすぎると型崩れの原因となるため、5枚程度重ねると考えれば、高さは20cm程度あれば十分でしょう。

ただし、衣装ケースやスチールラックは、やはり桐たんすに比べて性能は劣ります。

プラスチック製の衣装ケースなら湿気対策、スチールラックなら紫外線対策は怠らないようにしてくださいね。

100円ショップアイテムを利用して着物を保管する

着物を広げたまま掛けておく家具を「衣桁(いこう)」と言いますが、木製の良いものですと販売価格は1万円を超えます。

もし価格の面で衣桁を買うのを躊躇していて、他に安価な代用品がないかと思っている方には、100円ショップのアイテムを利用することをオススメします。

最近の100円ショップはデザインが洗練されている物が多く、一見して100円ショップの製品とは思えないほどです。

さらに100円ショップには、「ニッチな用途」に特化した商品もたくさんあります。

「着物用ハンガー」が売っているお店もありますし、バスタオル用に幅が大きく広がる可動式のハンガーもあります。

本格的な衣桁を入手するまでの間に合わせでも、100円ショップアイテムの活用は検討する価値があるかもしれません。

着物保管時のトラブルを避けるためには

収納時に十分注意していたとしても、衣装ケースなどに着物を長く保管しているうちに、独特の臭いや虫食いなどが発生してしまったという経験はありませんか? 着物は、良い状態を保つのに非常に手のかかる衣類です。

桐たんすに収納する、乾燥剤やたとう紙を用いるなどして「完璧」と思える環境を一度作ったとしても、そのまま長期間放置してしまってはトラブルの原因になってしまいます。

保管しきれない着物は買取に出すのも得策

大量の着物を保管するのには手間もかかり、時間も体力も必要とされます。

着物を保管することが大変になってきたと感じたら、どうしても手元に置いておきたい特別な着物以外は、状態が悪くなる前に買取に出すというのも1つの賢明な手段です。

何年も袖を通していなかった着物も、買取を通して頻繁に着用してくれる人に引き継がれることにより、より有効活用されることになります。

お持ちの着物が新品・未使用で汚れやシミがないもの、絹(正絹)製のもの、有名産地の着物や伝統工芸品・有名作家の着物などであれば、高く買取してもらえる可能性は大いにあります。

加えて、着物はサイズによっても需要の違いがあります。

丈が150センチ以上のサイズであれば需要が高いため、買取してもらえる確率も上がります。

なお、着物の色や柄については、その時々の流行によって需要が変動する傾向があります。

着物を買取に出す際には、着物の価値をしっかりと見極められる着物専門の買取業者に査定を依頼するようにしましょう。

着物に関する専門知識を深く持っている買取業者であれば、安心して着物を任せることができます。

総合リサイクルショップなど、着物に特化していない買取店では専門知識を有するスタッフが店舗にいない可能性が高いです。

着物1枚1枚の本来の価値を正しく判断できず、高い価値のある着物であっても、思わぬ安値で買取されてしまう可能性があります。

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