ヤバい!自宅でできるカビの応急処置について
湿気対策にどれだけ気を使っても、着物にカビが生えてしまう可能性は排除できません。
そこで、着物にカビが生えていた場合の、「とりあえず着用する」ための応急処置をご紹介します。
正しい応急処置に加えて、注意すべきNGな応急処置法も解説しますので、参考にしてみてください。
ただし、これはあくまで表面に見えているカビの落とし方です。
応急処置を行ったからといって、すべてのカビが落ちるとは考えず、着用後には着物専用のクリーニングに出すようにしてください。
着物のカビは乾いた布で払う
着物のカビを応急的に落とすためには、カビの生えている部分を乾いた布で軽く払ってカビを落とす方法がおすすめです。
軽く払う方が良いのは、力を入れて圧迫しながら拭くと、カビが繊維の奥に入り込んでより落としにくくなってしまうためです。
ここからは、さらに具体的な手順をご紹介します。
マスク・手袋は着用必須
作業の際に飛び散ったカビの胞子を吸引してしまうと、アレルギーや感染症を引き起こす可能性があります。
カビを落とす作業をするときには、マスクと手袋を必ず着用するようにしてください。
また、免疫力や抵抗力の低い赤ちゃんがいる場所では行わないようにしましょう。
加えて、これらを再利用すると、カビ菌をまき散らしてしまうことになりますので、使用した布・手袋・マスクはすぐに廃棄しましょう。
屋外で行う
カビを落とす作業は、着物を着物用ハンガーにかけて屋外で行いましょう。
ベランダや庭に物干しがあればそれを使うのが便利ですが、カビが移らないようにほかの衣類は外しておきます。
天候が悪い・屋外に場所がない、などの理由で室内で行う場合には、窓を大きく開けて風通しを良くしておきます。
その際、畳や壁、家具など屋内にカビの胞子が落ちて付着しないように、養生をしっかりとしておきましょう。
着用のタイミングまで陰干ししておく
カビが目立たなくなったら、風通しの良い室内で陰干ししておきましょう。
着用までの間にも、なるべく水分を飛ばしておくためです。
着用後は着物クリーニングに出す
応急処置によって見た目にはカビは見えなくなったとしても、この応急処置で着物のカビを完全に取ることは出来ません。
あくまで「とりあえず着用する」ための応急処置ですので、着用後は着物クリーニングに出すようにしてください。
濡れタオルで拭くとカビがさらに繁殖するので注意する
続いて、やってしまいがちなNGな応急処置法についてもご紹介しておきます。
洋服のカビ対策では、「よく絞ったタオルでカビ部分を水拭きする」という方法もあるようなのですが、これは「その後、洗濯機で洗うこと」を想定した方法です。
着物の多くは洗濯機で洗うことはできないため、この方法は使えません。
むしろ、水拭きしたことで着物が水分を含んでしまい、さらにカビが繁殖しやすい環境を作ってしまう可能性があるのです。
消毒用エタノール等での除菌は着物を傷める
着物のカビ対策には消毒用のエタノールはおすすめできません。
着物に多く使われる素材である絹(正絹)は非常にデリケートな素材で、湿気だけではなく様々な成分に対して弱いのです。
生地や染めの状態によっては、エタノールとの接触によって色落ち・変色などが起こってしまう可能性があります。